top of page

[レビュー] 起業布武 〜織田信長とスタートアップ!?〜

更新日:1月4日


先日、標記の作品をプレイしたので感想を綴らせていただければと存じます。

作品紹介というより、だいぶ蛇足が多くなってしまい恐縮ですが…。

ネタバレはほぼ無し(のつもり)です。



《作品情報》

  • ↑Steamストアページより購入・ダウンロードできます

  • 作風:ほのぼの・ギャグ

  • 制作ツール:Ren'Py

  • エンド数:8

  • プレイ時間(体感):3時間程度

  • プレイに至った経緯:発売前に、X(SNS)で見かけて


《ストーリー》

(Steam作品紹介より引用)

ビジネスによる世の平定を目指す織田信長の亡霊に取り憑かれた男子大学生が、「スタートアップ」の基礎知識を学びながら成長する様を描く。



《レビュー》


メインパートは全6章構成(という理解です)。1章あたり15分前後でしょうか。各章、ストーリー・用語解説・ミニゲーム・クイズが含まれているという構成で、バランスもよいです。

6章まででいい感じに進んだ後、果たしてどのような結末になるのか…後日談のような感じでしょうか。


一言で言うと「おもしろくて(Funny)」「勉強になる(Interesting)」という作品でした。

元々みやこ出版様の作品が好きであり、かつ日頃からビジネスや金の話には関心があったので、そんな自分にピッタリな作品でした。実際、期待通りでした。


キャラ同士のやりとりなどもおもしろいですし、何と言っても言葉遊び(シャレ)?がめちゃめちゃ多種多様でした!よくこんなに思いつくなぁと…。テンポもとても良かったですし、それがまたFunnyだったりもしました。

決めゼリフを言う際の演出や効果音、怨念が飛び交っているシーンなどなど、演出も凝っていて楽しかったです。


タイトルの通り、起業やスタートアップについての学びも多いです。これらに直接関心の無い方にもプレイしていただきたい、と個人的には思っています。起業に限らず、ビジネスや経営の考え方は誰もが持っていて損ではないと思います。

先日とある動画を見ていたところ「中小企業には“経営がない”」という話もありました。赤字でも補助金が出たり銀行がお金を貸してくれたりするのだとか…。

また、当方はサラリーマンですが、「価値を生み、必要な人に提供するからお金がもらえる」という概念が無い人が職場内に少なからず見られます。しばしば「給与泥棒」「フリーライダー」とも。「米を作って売るから金が入るんだ、畑も耕さずに金だけかっぱらってんじゃないわ」と。

そんなわけで、本作が多くの方々に届き、ビジネスについて知る契機となることを願っています。


「おもしろい」は「勉強」との相性が抜群に良いと思います。おもしろくないと続かないです。個人的には8:2で…「おもしろかった、ついでにちょっと勉強になった」で十分かと。1から10まで知る必要は無く、とりあえず1を知っておけば、必要になったとき2~10を勉強するのがラクだと思います。



作中のミニゲームとクイズに関して。

ビジュアルノベル内のミニゲームは賛否分かれるかもしれませんが、本作に関してはあって良かったと思っています。クイズだけよりミニゲームがあることで緊張感や達成感がプラスされたりと、今回の内容との相性は良かった印象です。

ミニゲームの前に「こんなミニゲームがはじまるぞ!」と教えてくれる親切仕様でした。少し集中すれば、難易度は高くありません。

章の前半で学んだ内容を、後半のクイズで理解度チェックできる仕様がとても良かったです。教科書を読んだら問題集を解いて定着させる、と同じ。インプットだけでなく、アウトプットが定着には大事です。学ぶ内容は章ごとに2~3個?であり、「知る」と「クイズを解く」がさほど離れていないので、覚えきれなくて困ることもありません。

更に…ミニゲームもクイズも、ミスしたことでバッドエンドや鬱展開になったりはしません。その点も親切で、完全に安心してプレイできます。


キャラクターデザインやイラストについては、Steamのストアページなどにあるスクリーンショットの通りです。文句なしです。

主人公が程良い具合のよいかっこ良さ・大学生らしさなのが地味にツボです。

特筆したいのはバーツさん。デザインが公表されたとき「エンジェル投資家が本当にエンジェルっぽい!!」と。自分の中でエンジェル投資家といえば専ら瀧本〇史だったので、ギャップが…w。余談でした。


そして更に余談。

作中で主人公たちがサービスの実証実験(PoC)を行い、その後のプロセスも順調に進んでいきますが…自分の経験の限りでは、現実では「上手くいかない」「高すぎる」などで大半の案件が頓挫するかと。実証実験ばかりで金も実績も得られず「PoC死」というのが(以下略



機能面などについても、ほぼ文句なしでした。

強いて言えば、1章のミニゲームのあとにロールバックができなくなる(再起動で直る)点が気になったくらいでしょうか。尚、バックログは見れます。

欲を言えば、Steamに投稿されるのであれば実績機能が欲しかったです。何%くらいのプレイヤーがどのエンドまでクリアしたのかなど、プレイヤーとしても割と気になって見たりします。(Ren'PyはSteamの実績機能に対応しているはずで、他作品で実装されているのも見たことがあります。)


また、作品紹介ページにプレイ時間の目安やエンディング数、レビューの可否の表記があると良かったです。ゲーム内の右クリックメニューにReadMeがあり、配信に関する記載はありましたが…これも危うく見逃すところでした;自分がSteam文化に疎いだけかも分かりませんが。


最後に、クラウドファンディングについて。

当方は本作をSteamで購入したのではなくクラウドファンディングのリターンとして頂きました(Bコース)。制作費全額(膨大かと)ではなく、翻訳費を集めるというコンセプトが現実的で良いと思い支援させていただいた次第です。

また、(当方は選んでいませんが)Fコースの「ゲーム内にロゴ掲載」というのは作品の内容とも合っていて面白いと思いつつ見ていました。一方で、Gコースの「FURINKAZAN」がどのようなイベントなのか分からず…今回作品をプレイして漸く分かりましたが、その辺り少々惜しい印象を受けました。



以上になります。

有料作品といえども本1冊分程度の価格ですし、これだけ楽しめて勉強にもなる作品ですので、迷っている方もぜひプレイしてみてください!と個人的には推したい所存です。




蛇足: せっかくなので起業ネタ(?)を書いてみた

イノベーションではないのでスタートアップではないですが…起業かすら怪しいですが。

前々から思っていた「ゲーム投稿サイトを作りたい」という件について、学んだ知識も踏まえつつ綴ってみました。


実装できる人(作中でいうと竹中さん)が見つからないので、実現の見通しは全く立ちませんが…。


関連記事

すべて表示
bottom of page