こんにちは、倉下です。今回は2023年最初のレビューです。
月のきれいな夜に、冬の夜に…あるいは、落ち着いてプレイできるときにおすすめです。
《作品情報》
Diana(Jeliko様)
ジャンル: フルボイスサウンドノベル 作風: 歴史もの、ファンタジー、シリアス 制作ツール: Live Maker エンド数: 1 プレイ時間(公式/体感): 約1時間半/2時間弱 プレイに至った経緯: crAsmビジュアルノベルリスト2022投稿作品 > 作品ページ
《ストーリー》
(ふりーむ作品ページから引用)
私は待っていた。 この石牢を打ち砕いてくれる鑿を、光を、力を。 私をあらわしてくれる、あなたを。 夜の工房でひとり黙々と石を彫る彼女と、その彼女を見つめる石像。 月の光がふたりの姿を静かに浮かび上がらせる。 彼女は何故、石を彫るのか。 その先に何があるのか。 「創ること」を問うフルボイスサウンドノベル。
(※レビューテンプレートは今回は割愛します)
《レビュー》
何といいますか、無い語彙で無理やり説明するのが憚られるような作品でした…。「きれい」というワードが真っ先に浮かぶのですが意図しない伝わり方をしそうでなんとも;
いわゆる「エモい」「泣ける」あるいは「雰囲気を味わう」のような作品ではなく、純粋に「創ること」と向き合い真剣に綴られた作品、という印象でした。一行一行しっかり受け止めたい内容でした。
テキスト・声・画像・BGM・効果音がすべて調和してこその作品だと思います。
自分のレビューでは何も上手くお伝えできないのですが、どうにか未プレイの方がこの作品をプレイする契機となれば幸いです。
今回のような作品のスタイルだと、例えばテキストに違和感があったりボイスにノイズが混ざっていたりするとそれらが気になって内容に集中できなくなってしまうと思います。この作品はそういったものが一切なく、テキストとボイスが洗練されていて没入できました。
内容について、あまりヘタクソな文章に書き起こしたくないので少しだけ触れます。
念のためネタバレ防止として黒塗りにします(選択で反転しない場合はメモ帳などにコピー&ペーストするとご覧いただけます):
石を彫るためにスキルや知識を得る過程についても描かれており、「熱い想いでどうにかなりました」で片づけないところが素敵でした。また、気になる石像完成後のお話も作中に含まれていて良かったです!
これからプレイされる方に向けて、参考として構成とプレイ時間についてです。
「右クリック → 自動テキスト送り」でプレイ(ボイスを全て再生)した場合になります。
この作品は4章構成です。自分の場合は章ごとに小休憩をはさんで全体で2時間弱でした。
1章:約15分
2章:約15分
3章:約50分
4章:約35分
普段ボイスを最後まで聞かない方でも、この作品についてはお聞きになられることをおすすめします。
システム面も満足でした。バックログ画面ではボイスも聞き直すことができます。
今回は以上となります。ここまでご覧いただきありがとうございました。
…以下、どうでもいい蛇足です。
個人的には、一通り積んでいたタスクを終えられたタイミングだったので「ここから少し自身の創作活動を進めたい」という思いもあって「創ること」を題材としたこの作品を選んだ節もありました。もちろん自分の創作は作中の石像(やこの作品自体)のような高尚なものではありませんが…とはいえ、共感できる部分があったり、自分の作品だったらこういう感じだろうか?と作中の石像と少し重ね合わせてみたり、そのような側面もありました。ということで、創作活動への意欲を取り戻す契機ともなった一作でした。